【比較検証】スラストとシマーク乗り比べてみた【YONEX】


どーも、ふぁんぼです。


今回はヨネックスのカービング向けフリースタイルボードの2大看板、スラスト(THRUST)とシマーク(SYMARC)を乗り比べて徹底比較してみました。





もちろん本記事を書いている時点における最新(今季)の2020-2021モデルでの比較です!

ぜひ参考にしてみてください。



【目次】

1.カタログスペック比較
2.乗ってみた感想
3.比較



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ヨネックススノーボード 2021モデルSYMARC(シマーク) 試乗レビュー







1.カタログスペック比較


まずはカタログスペックの比較から。


評価軸をそろえるため、極力長さが近いものでの比較とします。※もちろん試乗も

今回はスラストは161、シマークは160としました。


細かいデータをみていきましょう。



上の画像を見るとアウトラインには大きな差が無いのがわかります。


サイドカーブに限っては同じなので、同じ乗り方であればターン弧にそこまで差はでませんね。試乗比較にはぴったりですw



しかし、乗るとダイレクトに感じる硬さとねじれ剛性、いわゆるフレックスとトーションに特徴的な差があるのがわかります。





フレックスにそこまで差はありませんが、トーションはシマークの方がだいぶソフトな設定になっています。


一般的にフレックスとトーションは比例する傾向があるのですがシマークには当てはまりません。


双方カービング向けモデルなので硬い板ですが、トーションの設定に大きな差があり、スラストは硬くてねじれにくい板、シマークは硬いけどねじれやすい板となっています。




また、シマークはキャンバーの両支点にフラットな部分があるのに対しスラストはノーズ側のみの設定になっています。





ティップ部の引っかかりを抑え滑らかなターン導入がしやすくなる工夫ですが、テールにも採用されているシマークはズレのコントロールがしやすく、逆にスラストはテールがしっかり踏ん張ってくれるのでよりカービング向けという印象ですね。


ちなみにスラストには振動吸収性に優れたスタベラといわれるカーボンが内蔵されています。




以上、カタログスペック比較からいえることですが、



シマークは 『ソフトなねじれ剛性』 + 『キャンバー両支点のフラットな部分』 により操作性に重きを置いたカービングボードというのが伺えます。



一方のスラストは 『ハードなねじれ剛性』 + 『振動吸収カーボン内蔵(スタベラ)』 により、シビアコンディションでの安定性を重視したカービングボードといえるのではないでしょうか。





2.それぞれ乗ってみた感想


評価軸をあわせるため、それぞれの板を同じに日に乗り比べてみました。

試乗日は2020年の4月16日、ゲレンデコンディションは春特有のシャバ雪です。


乗った順序はスラスト161→シマーク160です。それでは乗ってみた感想を率直につづっておきます。語彙力がないのはご愛嬌でw


ちなみにスラスト、シマーク両者に共通していえるのですが、基本的に安定して後ろに乗れる人向けの難しい板です。

前よりのポジションだったりノーズを雑に操作するとすぐ刺ささります、一応情報まで。



■スラストに乗ってみた感想


まずはスラスト。



とにかく安定感がすごいです。

不安定なシャバ雪で経験則からいえば常に不快な振動を感じるコンディションでしたが足元が全くぶれません。


刃厚が太い鉈のようなどっしりした切れ味で雪面をえぐるようにターンしてくれます。


もちろん限度はありますが、足元がしっかり安定してくれるので状況に左右されずボード操作に集中でき疲労感も軽減してくれます。




ターン性能についてですが、角付けし始めたときの捉えはセミハンマーなので一般的なハンマーよりもややソフトな印象でしたが、ターンが始まるとハンマーと遜色なく強い向心力で曲がろうとしてくれます。


ハードフレックスかつ強いねじれ剛性を持つ板なので当然ですが、自身の操作に対する板の反応はマイルドで、乗るポジションが適切であれば、強いエッジグリップでオートマチックに曲がってくれる印象でした。




■シマークに乗ってみた感想


次にシマークです。



スラストほどではありませんが、今期モデルよりアブソーブデッキが採用され従来のシマークよりも安定性は向上しています。

不安定なシャバ雪でも十分な安定感はありましたが、スラストに乗ったあとだと少し心もとない感じがしました。




ターン性能の方ですが、シマークはスラストよりも若干硬くハンマーヘッドなので、角付けし始めたときの雪面の捉えが早く、ターン中も除雪抵抗を逃さずより小さい半径でゴリゴリ曲がろうとしてくれます。



ターン性能(捉えと曲がる力)に関してはスラストよりシマークの方が強い印象をうけました。



ハンマーにありがちな一方的に曲がる板と思いきや、実はそんなことはなく、ソフトなねじれ剛性により細かい操作がしやすいです。


自身の操作と板の反応にラグがなく、ターン弧の調整やリカバリーまでストレスなくできました。




ハンマーの鋭い捉えとターン性能は維持しつつ、自分の操作次第でゴリゴリのカービングからトリックまで柔軟に対応できる万能ハンマーヘッドボードだと思います。





3.比較


乗ってみた感想をもとに比較してみます。

それぞれの特性を以下のように定義し比較表を作ってみました。


安定性:板の振動吸収性
操作性:自分の操作に対しての板の反応の良さ
ターン性能:雪面の捉え&曲がる力の強さ
自由度:カービング以外へ適正





それぞれを刃物に例えるならスラストは鉈でシマークは刀のようなイメージです。


鉈(スラスト):刃をたてるとぶれることなく力強い弧が描ける

刀(シマーク):鋭い切れ味で俊敏かつ柔軟に弧が描ける


どちらも良い板なんですが、いい感じに特性が棲み分けできていると思います。


荒れた斜面や急斜面でも関係なくストイックにガンガンカービングしたいのであればスラスト、カービング以外にもスイッチやトリック等も楽しみたいのであればシマークが適していると思います。


私は急斜面弾丸カービングメインなのでスラスト派ですかね。



それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。

より良いスノーボードライフを!


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