どーも、ふぁんぼです。
毎度ご覧いただきありがとうございます。
今回はスノーボードにおける重心についてがテーマです。
すく下にリンクがありますが、こちらの記事で安全かつ効率的にターンをするには
重心位置のコントロールが必要不可欠と申し上げました。
未読の方には是非ご一読いただきたいのですが、
ターン = 重心位置のコントロール
といっても過言ではないくらい重心という要素はスノーボードでは大事なんです。
そしてこの重心という言葉、スノーボードをやっていればそれなりの頻度で
耳にするとは思いますが、実際どこにあってどのように移動させているのか
知ってますか?
もちろん感覚的には分かってるとは思いますが、もう少し突っ込んで考えると
意外と知らない方が多いんです。(ふぁんぼ調べ)
より精度をあげて重心の理解を深めることで、スノーボードの上達スピードも
変わります。
これよりスノーボードにおける重心の考え方について解説していきたいと
思いますので是非最後までお付き合いいただければ幸いです。

そもそも重心とは?
そもそも重心とはなんなんでしょうか。
調べてみると重心という言葉が使われる状況によっていろいろな
解釈がありますね。( 本質的には同じなんでしょうが )
スノーボードというスポーツで考えれば
「物体の各部分に働く重力の合力が作用するとみなされる点」
という解釈が一番しっくりくると思います。※精選版日本国語大辞典より
噛み砕いていうと、
人間の上半身にかかる重力、下半身にかかる重力、スノーボードにかかる重力、
それらをまとめて考えたときに代表して重力が作用する点
ということです。
つまり、スノーボードにおいての重心は、人間の上半身と下半身の重心、
スノーボードの重心、それらを全部合成したときの重心のことをいい、
そこに全ての力が代表して作用することになります。

スノーボードにおける重心とは、体の各部位の重心とスノーボードの重心の合成重心をいい、そこに代表して全ての力が作用すると考えることができる
人間の重心位置を考えてみよう
そもそも人間の重心はどこにあるのでしょうか?
答えは、その時その時の姿勢により形が変わるので重心位置は一概に
ココだとはいえないです。
決して変形することがない物体であれば重心は固定位置ですが、
人間には関節があり様々な姿勢を取ることができる(変形できる)ので、
人間の重心は固定位置じゃありません。
人間の重心位置を述べるのであれば、どんな姿勢なのか条件をつけることが
基本になります。
ここで仮に人間が直立状態であれば、おおよそ下記の位置にあることが
分かっています。
■成人男性(直立時)の場合
足底から計測で身長の56%の高さで仙骨やや前方
■成人女性(直立時)の場合
足底から計測で身長の55%の高さで仙骨やや前方

174cmの私(♂)をモデルにすれば、左の画像のように足底から174cmの56%、つまり97.44cmの高さで仙骨やや前方の位置に重心があることになります。
くどいようですが、これは直立時限定の話です。
少し極端ですが、ここで仮にバク転中の人間の重心位置を考えてみます。
下の画像のように、人間の胴体や腕等の各部位をまとめて代表となる重心を
考えたとき、その重心位置は人間の中にはありません。

人間の重心位置はそのときの姿勢に依存し、常に体内にあるとは限らない
流動的なモノなんです。
また、下記リンクの記事で解説してましたが、ターン中は常に板に作用する
モーメントが釣り合うように重心位置をコントロールし続けるのが基本に
なります。
スノーボードでターンをするにあたっては、自分のその時その時の姿勢で
重心位置がどう変わるのか常に意識しコントロールすることが大切になります。
人間の重心位置はその姿勢その姿勢に依存し、必ずしも体内にあるとは限らない流動的なもの
スノーボードにおける代表的な姿勢での重心位置の違い
その時その時の姿勢で変わる重心位置ですが、実際にどこにあるのか
モーションセンサー等の特別な機器をつけて滑らない限り計測は不可能です。
先程、「スノーボードでターンをするにあたっては、自分のその時その時の
姿勢で重心位置がどう変わるのか常に意識する」 と申し上げましたが、上記の
通り重心位置を正確に把握するのは不可能に近く、実際にどこにあるのかを
イメージするのは困難です。
ここでは重心位置把握のための1つの目安として、直立状態の重心位置を基準に
ターン中の代表的な3つの姿勢、 「ストレート内傾」 「外傾(リーン)」
「内倒」で重心位置がどう変わるのか解説させていただきます。
これから紹介するモデルは私(174cm・70kg・♂)です。
各々の姿勢での重心位置の変化を理解していただき、重心コントロールの
ヒントにしていただければ幸いです。
■ストレート内傾(基準)
まずは基準となる直立姿勢で傾いた「ストレート内傾」姿勢での重心位置についてです。

この姿勢は後2つの姿勢での重心位置の変化を見るための基準になります。
左の画像のように直立状態で板と一緒に傾いてるので、先に説明した通り 足底から身長の56%の高さで仙骨やや前方に重心位置があることになります。
※ここでは板の重心は無視します
■外傾(リーン)
次は下半身よりも上半身が起きている状態の外傾(リーン)姿勢についてです。
※外傾(リーン)についていろいろな解釈がありますが当サイトでは前述した状態を定義とします

先程のストレート内傾の姿勢から上半身の姿勢が変わったので当然重心位置は変わります。
この場合は改めて上半身と下半身の合成重心を求めないといけません。
※先程同様にここでは板の重心は無視します
詳細は「合成重心の求め方」等で検索して勉強していただきたいのですが、
基本的に合成しようとする物体の中でより重い物体が動いた方に合成重心位置が
移動します。
ここで、人間の体重の70%は上半身にあり、30%は下半身といわれています。

体重の7割を占める上半身が起きたことによって合成重心位置は下半身より重い上半身の移動方向に移動することになります。
左の画像のように、重心位置はストレート内傾の姿勢よりターン外側方向に移動するのが理解できます。
外傾(リーン)姿勢を取ると、重心位置はターン外側方向に移動する
■内倒
次は内倒姿勢での重心位置を考えてみます。
下の画像のように下半身よりも上半身が寝ている状態を内倒姿勢といいます。

ここでも先程と同様に上半身と下半身の重心を合成し、この姿勢での重心位置を求める必要があります。
外傾(リーン)姿勢とは逆に下半身より重い上半身が寝ることにより、左の画像のように合成重心位置はストレート内傾時よりもターン内側に移動することになります。
※ここでも板の重心は無視します
内倒姿勢を取ると、重心位置はターン内側方向に移動する
ちなみにご紹介した画像はCADで描いたもので、ざっくりとですが自分の体重を
ベースに上半身と下半身の合成重心位置座標を計算して記してあります。
以上、ターン中の代表的な3つの姿勢で重心位置がどう変わるのかご理解
いただけと思います。
これら代表3姿勢における重心位置の変化を1つの指標として、ターン中の
重心位置コントロールに役立てていただければ幸いです。
また別記事にて詳しく解説したいとは思いますが、ターン中は理屈や効率という
視点から考えると外傾(リーン)姿勢が望ましいです。
滑走の際は外傾(リーン)姿勢を心がけ習慣化しておくと、後の上達がスムーズ
になると思います。
また、解説したシュチエーションは全てトーサイド(つま先側)ターンのもの
でしたが、ヒールサイド(かかと側)ターンも考えは一緒です。
ですがヒールサイドの内倒姿勢は不自然かつ、物理的に即転倒間違いなし
なのでトーサイドターン側のみ解説とさせていただきました。ご了承下さい。
まとめ
さていろいろとご説明してきましたが、本記事でお伝えしたいことを最後に
箇条書きでまとめておきます。
1.スノーボードというスポーツにおける重心とは、人間の各部位とスノーボードの合成重心をいい、そこに代表して全ての力が作用すると考えることができる
2.人間の重心位置はその姿勢その姿勢に依存し、必ずしも体内にあるとは限らない流動的なもの
3.重心位置の正確な把握は現実的には困難、ターン中の代表3姿勢から考えた重心位置の変化を指標とし自分の重心コントロールの在り方を考える
本記事が皆様のスノーボード上達のヒントになれば幸いです。
補足
下記リンクの記事で「カービングで理想のポジションはやや後ろ重心」と申し上げてましたが、それは前後軸の話です。
今回説明させていただいたターン中の代表3姿勢での重心位置は横軸の話になります。
つまりカービングターンでは、前後軸ではやや後ろ重心を維持したまま、
代表3姿勢のいずれかで真横に重心移動するイメージになります。
※外傾姿勢が望ましいですが
それでは最後までお付き合いありがとうございました。
よりよいスノーボードライフを!
