カービングに適した基本ポジションを理解しよう


どーも、ふぁんぼです。


本記事は初級プログラムの3になります。

順を追っての解説になっておりますので、まずは前回までの記事を読んでいただくことをオススメします。


【初級プログラム1】

カービングターンってなんなの?ズレちゃいけないの?

【初級プログラム2】

カービングターンをするために、まずは板をどうすればよいか理解しよう!





今回は、カービングターンをする為に最適な基本ポジションについての解説です。

 

はじめに…




この基本ポジション、

地味ですがめちゃめちゃ大事です。




ですので少し長くなりますが、是非最後までお付き合いいただければと思います。






さて少し極端ですが、適切なポジションに乗れてない人を車の運転で例えると、シートを目一杯後ろに下げ、腕を突っ張った状態でハンドルを握り、ハンドルきりづれー!曲がりづれー!ペダル踏みづれーって言いながら運転しているようなもんです。


これまでの経験上、カービングターンで行き詰まっている方(ある一定レベルから上達しない方)は、カービング向けのポジションに乗れてなかったという方がほとんどでした。(正確には適切なポジションを知らなっただけですが)



残念ながらカービングに適したポジションに乗れていない人は効率のよいカービングターンはできません。

 

中途半端なカービングになってしまい、すごくもったいないです。




さて、結論から申し上げておきます。


カービングターンをする為に最適な基本ポジションですが、 概略的に言えば、



” やや後ろ重心のポジション ”



詳細に言えば、



” サイドカーブの終点を雪面に抑えることができ、前足が柔軟に使えるポジション ”



になります。

個人差はありますが、下の画像のようなポジションです。





これから下記のように各ポイントにわけ詳細を解説していきますが、前述した結論を頭に入れておいていただけるとより理解が深まると思います。



【本記事のポイント】

1.スノーボードは前重心になりやすい乗り物

2.ズレにつながる板自体の回転を抑えられるポジションはやや後ろ重心

3.前足はノーズのたわみを損ねないように柔らかくする



変なクセがついてからのポジション修正はなかなか面倒です。

カービングに適切なポジションをしっかりと理解し、効率よく上達を目指しましょう!






1.スノーボードは前重心になりやすい乗り物


ポイント1の解説です。

先程、カービングに適したポジションはやや後ろ重心と申し上げました。


その理由はポイント2で解説しますが、残念ながらスノーボードはやや後ろ重心とは逆の前重心になりやすい乗り物なんです。



スノーボードは斜面を山から谷へ滑り下りるのが基本ですが、その斜面上で特になにも意識しなければほとんどの方が前重心になります。



ここで板を履いていない状態で、スノーボードと同じサイドウェイスタンスで斜面に立っているとします。


脱力すると谷側に落とされる力を感じ、ほとんどの人が落とされないように無意識に前足で体重をささえ、下の画像のように前重心の形になるはずです。

※まれに後ろ重心になる方もいます。もし該当する方は先天的にカービングに有利なポジションに乗れてると思って喜んでくださいw




基本的に板を履いた状態でも上と同じことがいえ、スノーボードは前重心になりやすいのです。


つまり、カービングに適したやや後ろ重心のポジションをとるにあたり、常に前重心になりやすいハンデを背負っていることになります。


また、急斜面になればなるほど谷側に落とされる力が強くなり、より前重心になりやすくなります。


やや後ろ重心のポジションを維持するためには、自分が思っている以上に強く意識しないといけません。



カービングでは前重心になりやすいハンデを克服し、やや後ろ重心を維持しなければならない



余談ですが、これが一般的にカービングターンが難しいと言われる根拠の1つだと私は思います。





2.板自体の回転を抑えられるポジションはやや後ろ重心


ポイント2の解説です。

前回の初級プログラム2で解説しましたが、カービングターンをするためには、



ズレを伴う板自体の回転を抑えながら板を傾けてターンする



と申し上げました。

ここで注目したいのが「ズレを伴う板自体の回転を抑える」です。



ズレを伴う板自体の回転はいわゆる減速の多いズレのテールスライドになりますが、イメージしやすいように下記映像の 5:37~5:57 をご覧下さい。




この時の板の挙動ですが、基本的にサイドカーブの始点が軸になりサイドカーブの終点が回転しています。






カービングターンではこの挙動を抑えなければいけません。

では抑えるためにはどうすればよいか?まずは原因を理解する必要があります。



ターン中の板の軌跡は基本的に半円を描くので、それに習い無意識のうちに板を回転させる操作をしてしまっていたり等もありますが、根本的に板が回転しやすいポジションに乗っていることが原因として考えられます。






ポイント1で述べた通り、スノーボードは前重心になりやすい乗り物なので強く意識しなけれがほとんどの人が前足重心です。(稀に逆の人もいますが)

つまりノーズ側が重く、テール側が軽くなっている状態です






物理的に重い方が摩擦抵抗が多く、軽い方が摩擦抵抗が少ないのでターン中の遠心力や自分の体重でかかる力等により、摩擦の少ないテールが振り出やすくなるのです。






前後の摩擦差でズレるイメージがわかなかった方はこちらの映像の6:59~7:18をご覧下さい。より理解していただけると思います。




ご説明したように、板が回転する原因は板を意図的に回転させた場合を除き、前重心のポジションにあります。



原因がわかってしまえば対策は簡単ですね。

ノーズよりテールを重くすればいいんです。

※え?そしたらノーズがズレるんじゃね?と思った方は鋭い考察力です。結論からいうとノーズはズレません、理由はポイント3の補足で解説します。



つまりカービングに適したポジションはやや後ろ重心となるわけです。



ですがここで注意が必要です。

やや後ろ重心だからといっても単純にそこに乗ればいいわけじゃありません。


ちゃんとした目的があります。

やや後ろ重心の目的…


それはサイドカーブの終点がズレないように雪面にしっかりおさえつけることです。(重くして摩擦抵抗を増やす)






やや後ろ重心のポジションに乗ってもサイドカーブの終点がおさえつけられなかったら意味はありません。

目的をしっかり理解し、やや後ろ重心を意識すること大事です。




カービングに適したポジションは、やや後ろ重心

やや後ろ重心の目的 → サイドカーブの終点を雪面に抑えること 





3.前足はノーズのたわみを損ねないように柔らかくする


ポイント3の解説です。

サイドカーブの終点を雪面に抑えるためにやや後ろ重心ということは理解していただいたと思います。


サイドカーブの終点に近いのはもちろん後ろ足になるので、常に後ろ足でサイドカーブの終点を抑えつけるようにしてポジション維持を意識しなければいけません。



では、前足はどうすればいいか?

ズバリ、ノーズのたわみを損ねないように、柔軟にしておく必要があるのです。



初級プログラム2で板を傾けるとサイドカーブによってスノーボードは曲がる(曲線運動)とご説明しました。


ターンが始まるとき、すなわち曲線運動が始まるとき、下の図のようにサイドカーブにより板が曲がっていく方向とそれまで進んでいた板の直下方向の差異(迎え角)によりノーズのソールは雪をかきわける除雪抵抗を受けてたわみながら曲がっていこうとします。






ノーズがたわむのがイメージしづらい方はこちらの映像の 9:40~10:32 をご覧いただくと分かりやすいかもしれません。




さて、今ご説明したようにノーズは除雪抵抗によりたわみ続けます。


そしてこの除雪抵抗ですが、力学的に分解していくとスノーボードが曲線軌道で進もうとうする力の向心力につながります。単純にいうとスノーボードが曲がろうとする力です。



除雪抵抗 → スノーボードが曲がろうとする力



「除雪抵抗がスノーボードが曲がろうとする力になる」と言われてもイメージしづらいと思います。


こちらの映像の10:30~13:24でご説明してますのでご覧下さい。ここは大事なポイントなので必見推奨です。




ここで仮に、除雪抵抗によるノーズのたわみを前足で突っ張ったり前重心のポジションに乗ったりしてたわまないように抑えつけた場合、板が曲がろうとする力にブレーキをかけることになるので前につんのめり、ノーズが刺さったりテールが抜けたりにつながります。


また、常にノーズは詰まり気味になるのでスムーズなカービングターンにはなりませんね。


ですので、ノーズのたわみは損ねないように受け続けるのが基本です。



前足はノーズのたわみを受け入れる為に柔軟に使い続ける



下の映像の14:48~15:13ようなイメージで前足使えるように意識してみて下さい。




補足1

ポイント2で「テールを重くしてノーズを軽くしたらノーズがズレそう」と思った方向けの補足です。

ご説明したようにノーズは除雪抵抗を受けターン弧の中心方向(ズレとは逆方向)にたわむのでノーズを軽くしても基本ズレません。





4.まとめ


以上、各ポイントに分けて解説してきましたが結論です。(冒頭ですでに述べてましたが)


カービングに最適な基本ポジションは、



” やや後ろ重心でサイドカーブの終点を雪面におさえながら前足が柔軟に使えるポジション ”



になります。





ぶっちゃけ、前重心のポジションであったり、前足の柔軟さがなくてもカービングできたりしますが力学的にみて効率の良いカービングとはいえません。


また、ハイスピードのカービングや、内傾角の深いカービングにチャレンジしようするほど求められるポジションは上記のようにシビアなものになります。



自己流のポジションの方はある一定レベルから上達が止まりがちです。

変なポジションのクセがつく前に、本内容をしっかり理解してカービングポジションの組み立てに役立てて下さい。




補足2

人それぞれ体格や運動能力は違います。乗っている板の特性やセッティングも同じではありません。

また滑るスピードや斜度、雪質により、求められる後ろ重心の量や前足の使い方も変わります。


ですのでポジションは一朝一夕にて習得できるものではありません。


いろいろな状況でいろいろ試して、下記の目的を果たしつつ、自分の体型やセッティング、滑るゲレンデに合わせた最適なポジションを見つけて改善させていく意識が大事になります。



【カービングの基本ポジションの目的】

・サイドカーブの終点をしっかり雪面に抑えること(ノーズよりテールが重いこと)

・ノーズのたわみを柔軟にうけれること



極端な話、上記の目的を満たせばどんなポジションで乗ってもOKです。

※物理的に後ろよりの重心じゃないと目的は満たせませんがw


見た目にとらわれず、目的を満たせる自分にあったポジションを追求していただければと思います。



それでは最後までお付き合いありがとうございました。

よりよいスノーボードライフを!


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